2011-10-26

サークルの記事で・・・

ご無沙汰しております。
実は僕、大学ではフリーペーパーを(かなり自由な内容で)書くサークルに属しておりまして
今回僕がプログレ特集記事(初心者向け)を書いたので、それをブログにも掲載したいと思います。
ファイルはPDFになってます。くだらない記事ですが、読んでみてください。

http://bit.ly/tvsBkv

2011-02-23

変な邦題 秀逸な邦題

日本における洋楽(映画もそうだし、洋物か)事情と「邦題」は切っても切れない関係にあります。
ありがちな邦題の付け方としては以下のパターンが考えられます。


1.アルバム、曲名の直訳、意訳
2.その曲の歌詞から引用してきたもの
3.アルバム名、曲の原題を省略してきたもの(その挙句意味合いが違う)
4.曲のイメージを勝手に考え、テンプレート的に言葉を組み合わせたもの(「涙のなにがし、悲しみのなにがし」のように)
5.なんとなくそれっぽいのを付ける
6.そのアーティストのシリーズもの(KISSの地獄シリーズ等)
7.担当者のお遊び


特に5,7ではイロモノ的な酷い邦題が多いのですが、たまに秀逸なものもあるので侮れません。4に関しては「涙の」、「愛の」、「恋の」といったフレーズをとりあえず使っちゃう傾向が見られますね。

元々邦題というのは洋楽に親しみを持たせるために付けられたものだそうですが、そういった目的から外れた「なんじゃこりゃ」というおふざけの過ぎたアーティスト愛あふれる変な邦題がたくさんあるので今日は色々載せたいと思います。


・残念邦題集


それ行け!ウィークエンド」(Working For The Weekend / Loverboy)
→ ダサいが曲のイメージはそこまでブッ壊れてないのでまだ許そう。

ハイスクールはダンステリア」(Girls Just Want to Have Fun/ Cyndi Lauper)
→ まったく歌詞の内容と違う上に、親日家である本人にすら怒られちゃいました

俺の回転花火」(Under My Wheels / Alice Cooper)」
→ 原題はアソコのことでしょうが、割とうまいクーパーらしい和訳だと思います(笑)

いやな液体」(Liquid Gang / T.Rex)
→ そんな邦題がいやだ。

ポセイドンのめざめ」(In The Wake Of Poseidon / King Crimson)
→ それっぽい邦題ですが、実は「the wake」の意味を取り違えてます

まるっきりパラダイス」(Just Like Paradise / David Lee Roth)
→ 割とうまいんですが、なんだかアイドル歌謡っぽいんです。

翔んでる!レディ」(Lady Writer / Dire Straits)
→ 流石にマーク・ノップラーさんは怒ってもいいと思います

スペイン高速悪魔との死闘」(Race With Devil On Spanish Highway / Al Di Meola)
→ これは原題そのままですが、これじゃB級ウェスタン映画だ

エアロスミス離陸のテーマ」(Same Old Song And Dance / Aerosmith)
→ エアロスミスってジャンボジェット機か何かですか?

人間解体」(Man Machine / Kraftwerk)
→ カニバリズムっぽい感じがして怖いです・・・

恋のウェイト・リフティング」(There's) Always Something There To Remind Me / Lou Johnson(その他色々))
→ 東京オリンピックにちなんだ邦題らしいですが・・・安直過ぎるだろ!

ウキウキ・ウェイク・ミー・アップ」(Wake Me Up Before You Go-Go / WHAM!)
→ 背筋が凍りつくほどのダサい邦題

百眼の巨人アーガス」(Argus / Wishubone Ash)
→ どこかロボットアニメっぽい

女の泪はワザモンだ!」(Too-Rye-Ay / Dexy's Midnight Runners)
→ 日活ポルノかよ

淫力魔人」(Raw Power/ Iggy Pop & The Stooges)
→ ランプから全裸のジーニーが出てきそう

ギター殺人事件AC/DC流血ライヴ」(If You Want Blood / AC/DC)
ギター殺人者の凱旋」(Blow By Blow / Jeff Beck)
→ 恐らくアンガス・ヤングを殺したのがジェフ・ベックで、服役後作ったアルバムなのでしょう

びっくり電話」(How Dare You? / 10cc)
→ このジャケットからイメージした安直な邦題にビックリだが、アルバムの出来も素晴らしくてビックリ

緊急指令N.R.」(Dawn Patrol / Night Ranger)
→ ER緊急救命室はこっからパクったにちげえねえこいつぁ!

恋のピンチヒッター」(Substitute / The Who)
→ 絶句

自殺志願」(Don't Try Suicide /Queen)
→ いやこれじゃタイトルと真逆だろ

資本主義をぶっ壊せ!~踊る鳥人間~」(Klossa Knapitatet / Samla Mammas Manna)
→ ジャケットも凄いが、実にアナーキーである。


・名作邦題集

原子心母」(Atom Heart Mother / Pink Floyd)
→ 超直訳であり、アルバムのイメージが伝わってくる素晴らしい邦題

対自核」(Look At Yourself / Uriah Heep)
→ 意味はよくわからんがそれっぽくていいじゃない。

太陽と戦慄」(Larks' Tongues in Aspic / King Crimson)
→ ジャケットからの発案だろうが、原題がブッ飛んでるだけにうまい邦題だと思います

ごはんですよ」(Maltid / Samla Mammas Manna)
→ 桃屋からクレームが付かなければ良いが

俺は百姓」(Now I'm A Farmer / The Who)
→ "a farmer"を"百姓"と訳すところが実にロックだ!

すべての若き野郎ども」(All the Young Dudes / Mott the Hoople)
→ 青臭い歌詞にマッチしたとても粋な邦訳。

怪奇骨董音楽箱」(Nursery Cryme / Genesis)
→ プログレらしい堅苦しい邦題だ

吹けよ風、呼べよ嵐」(One of These Days / Pink Floyd)
→ おそらくサウンドからの発案で、曲のイメージが湧いてくる

青い影」(A Whiter Shade Of Pale / Procol Harum)
→ この曲は歌詞に意味深な部分もあり和訳するには難しいが、この邦題はイメージを捉えており見事。(誤訳か?)

帽子が笑う…不気味に」(The Madcap Laughs / Syd Barrett)
→ "Madcap"をうまく表現している

ラジオスターの悲劇」(Video Killed The Radio Star / The Buggles)
エノラ・ゲイの悲劇」(Enola Gay / OMD)
→ 悲劇シリーズ。濁した言い方にしたのが直訳的ではなくよろしいと思います

ニューヨークシティ・セレナーデ」(Arthur's Theme (Best That You Can Do) /Christopher Cross)
→ 原題とはかけ離れているが、曲のイメージに合った邦題になっている

ノックは夜中に」(Who Can It Be Now? / Men At Work)
→ 「俺のドアをノックしてるやつは誰だ?」と始まる曲なので、的確

雨にぬれても」(Raindrops Keep Fallin' On My Head / B.J.Thomas)
→ 大胆な意訳だが、それがいいのだ

童夢」(Every Good Boy Deserves Favour / Pink Floyd)
→ おそらくジャケットからの発案

素顔のままで」(Just The Way You Are / Billy Joel)
→ 「そのままの君で」なんて訳すとアレだが、これはうまい


・フランク・ザッパ邦題コーナー

ハエハエ・カカカ・ザッパ・パ(ハエハエ・カカカ・キンチョールが由来だろう)
イリノイの浣腸強盗
鼻クソマン
黄色い雪の下にはウンコがあるから食べちゃだめ
我こそつまるところ己なり
フランク・ザッパの○△□
万物同一サイズの法則
イリノイの浣腸強盗
いたち野郎
舟だがや
いまは納豆はいらない(えんどう豆を運べみたいな歌詞があるのであながち間違いではない《意味不明》)
えー、うっそぉ、ホントー?
ア、いかん、風呂むせて脳わやや
フランク・ザッパの○△□(まるさんかくしかく) 
フランク・ザッパの□(長方形)
娘17売春盛り
フィルモアのパンティ嗅ぎレース
口の中にはもうやらないよ
おっぱい印のビール


・・・といった感じで世の中には色んな邦題があります。
最近の洋楽のはただ単に原題のカタカナ表記という味気ないものが多いようですが、もっと担当者は遊んでもいいと思います(遊びすぎは厳禁)。
ぼくもちょっと邦題を作ってみました。

Bark At The Moon(オジー)→バカだもん
Breaking The Law(ジューダスプリースト)→ネギとろ
Invisible Touch(ジェネシス)→とくダネのテーマ
Discipline(キングクリムゾン)→フリップ先生のギター講座
Young Americans(デヴィッド・ボウイ)→すべての若きアメリカンども






















お後がよろしいようで

2011-01-20

フランク・ザッパのすゝめ

先日、「レコード・コレクターズ増刊 フランク・ザッパ/キャプテン・ビーフハート・ディスク・ガイド」という代物が発売されました。
ですから、いい加減僕もフランク・ザッパのことについてブログに書こうかなと思った次第であります。
その本自体は購入しておりません!

Music is the best!
  • フランク・ザッパの音楽
 まず、彼の音楽の魅力を一言で表せば、「ジャンルに囚われない正に『ザッパ』というべきユニークで高度な音楽性を持っている」、ということになるだろうか。彼の音楽に定義付け、ジャンル付けすることが出来ない。何故なら、彼が少年時代に聴いていた音楽による影響や、図書館で学んだという音楽理論に裏付けされた緻密な作曲能力によって、アルバム毎にまったく違った音楽性が現れているからだ。
 そういった土台となった要素が存命中に出した60枚ものの膨大な数の―ドゥーワップから現代音楽まで多岐に渡る作品群―を作ることを可能にしたと言える。一つ一つのアルバムにジャンル付けすることは可能だが、彼の音楽を総括してのジャンル付けは不可能だ。
 フランク・ザッパが創りだす音楽は「ザッパ」そのものであり、まさに孤高の存在と言える。

Don't You Ever Wash That Thing?
  • 奇人?変人?だから何?
 彼を表現する言葉として「変態、奇人、難解」というフレーズがよく用いられる。たしかに彼の曲の歌詞は卑猥であったり、曲によっては変拍子等の高度なテクニックが要求されるものやコラージュ駆使して作った前衛的なものもある。「ステージでウ○コを食った」とかいうガセを流されたことも。それに加えて、「邦題が奇抜」というイメージを持っている方も居るはずだろう。しかし彼の音楽にはドゥーワップやR&Bに基づいた分かりやすい要素もあり、歌詞の辛辣でくだらない点がシリアスな音楽性とのギャップを生み出している。
 加えて、彼のバンドに居たメンバー(所謂ザッパ門下生)にはテクニックを持つ大物ミュージシャンが多い。やはりザッパは「難解」という言葉で片付けてしまうにはもったいない才能の持ち主と言える。
 また、彼はアンチ・ドラッグであり、レコード会社と徹底的に戦い、PMRCの歌詞検閲問題に対しては公聴会で猛抗議し、大統領選への出馬を公表(後に撤回)したこともあった。
 ザッパは単に変態呼ばわりされるような男ではなく、アメリカという大国の動向を冷静に把握し、辛辣な言葉で批判することが出来る実にクレバーで立派なミュージシャンの一人だったのだ。

Jesus thinks you're a jerk...
  • ザッパを初めて聞く人へ・・・
ザッパの作品群という名の海は実に膨大でだだっ広く、初めて聞く人にとってはなかなか取っ掛かりにくいアーティストと言えます。しかし一度ハマったら僕のように彼の音楽の魔術から抜け出せなくなります。それだけ彼の音楽は魅力に満ち溢れているわけです。
あくまで個人的な見解ですが、入門向けと考えられるアルバム紹介をしてみたいと思います。


初心者向け5選

1. Hot Rats (1969)
 1. Peaches En Regalia
 2. Willie The Pimp
 3. Son Of Mr.Green Genes
 4. Little Umbrellas
 5. The Gumbo Variation
 6. It Must Be A Camel









 ジャズ・ロック系アルバムの金字塔。全曲インスト。1はザッパのテーマ曲とも言えるポップなメロディセンスが輝く名曲。2ではゲストのキャプテン・ビーフハートががダミ声で吠える吠える。この曲を含めアルバムの随所でザッパのギターソロが炸裂。大曲の5ではシュガー・ケン・ハリスのヴァイオリンソロが素晴らしい。
 何を隠そう、この作品とOne Size Fits Allを聴いて筆者はザッパの底なし沼へと沈んでいったのである。のちのカンタベリーミュージックへの影響も感じられる。
 この作品が気に入った人には同路線のWaka/JawakaThe Grand WazooBurnt Weeny Sandwichがお薦め。



2. One Size Fits All (1975)
 1. Inca Roads
 2. Can't Afford No Shoes
 3. Sofa No.1
 4. Po-Jama People
 5. Florentine Pogen
 6. Evelyn, A Modified Dog
 7. San Ber'dino
 8. Andy
 9. Sofa No.2






 歴代屈指の技巧派メンバーが揃った時期の大傑作。なにより超名曲の1が素晴らしい。楽器の絶妙なアンサンブル、ヘルシンキ公演での演奏を挿入した宇宙的なギターソロ。めまぐるしく展開していく構成にはザッパのセンスが全て詰まっている、最高の曲だ。
 ジョージ・デュークのボーカルがちょっと弱いが今聴いてみると初々しさを感じる。ザッパによるトーンゆるゆるのギターソロとねちっこいボーカルの4、フロ・エディ期から暖めていたアンセム的なドイツ語で歌われる9も魅力的。
 同時期のライブを収録したRoxy And Elsewhereもお薦め。



3. Sheik Yerbouti (1979)
 1. I Have Been In You
 2. Flakes
 3. Broken Hearts Are For Assholes
 4. I'm So Cute
 5. Jones crusher
 6. What Happened To All The Fun In The World?
 7. Rat Tomago
 8. Wait A Minute
 9. Bobby Brown Goes Down
10. Rubber Shirt
11. The Sheik Yerbouti Tango
12. Baby Snakes
13. Tryin' To Grow A Chin
14. City Of Tiny Lites
15. Dancin' Fool
                            16. Jewish Princess
                            17. Wild Love
                            18. Yo' Mama

 中東的な衣装をまとったザッパのジャケットが印象的な作品。サウンド的にはロック寄りで、ザッパのギタープレイやテリー・ボジオの若き日のパワフルなドラムサウンドと素っ頓狂なボーカルが楽しめる。ポップな曲だなあと思って聴いていると卑猥で辛辣な歌詞が飛び出す。エイドリアン・ブリューも参加しているがあまりギタープレイでは目立っておらずそのかわり2におけるボブ・ディランのモノマネが素晴らしい。
 しかしアホばっかりやっているのではなく7、11、18で聴くことが出来るギターソロには本当に痺れる。特に18は何度聴いても感動的なギターソロだ。ちなみにほぼすべての曲がライブテイクを元にしてオーバーダブしたものである。
 このアルバムは和訳のついている日本盤を買うことをおすすめします。




4. Overnite Sensation (1973)
 1. Camarillo Brillo
 2. I'm The Slime
 3. Dirty Love
 4. Fifty-Fifty
 5. Zombie Woof
 6. Dinah-Moe Humm
 7. Montana









 ザッパ流ポップ・アルバムの始まり。かなりコンパクトなアルバムにはなっているものの、一曲一曲の完成度が高い。単なるポップではなくブラックミュージック(ファンク)、ジャズロックの要素も
織り交ぜられており、そこにザッパのねちっこいボーカルが加わって唯一無二の音楽に仕上がっている。
 歌詞も大変面白く、「モンタナに引っ越してデンタルフロスを栽培したいなあ
だとか「俺はテレビや企業のスライム。お前らを洗脳してやる」などなど。
 個人的には1が大好き。ラルフ・ハンフリーのドコドコドラムが心地良いしザッパがちょこっと入れる渋いギターサウンドがたまらない。歌詞は卑猥だけどね。ザッパのボーカルが苦手な人も居るかもしれませんが、かなりの良作だと思います。
 このアルバムも和訳つきの日本盤の購入をお薦めします。同時期のApostropheも超お薦め。




5. Roxy And Elsewhere (1974)
  1. Penguin In Bondage
  2. Pygmy Twylyte
  3. Dummy Up
  4. Village Of The Sun
  5. Echidna's Arf (Of You)
  6. Don't You Ever Wash That Thing?
  7. Cheepnis
  8. Son Of Orange County
  9. More Trouble Every Day
 10. Bebop Tango






 最高のメンバー達が最高のアンサンブルを披露する最高のライブアルバムチェスター・トンプソンラルフ・ハンフリーによるツインドラムが最高だしそれに絡むトム・ファウラーのベースも白人とは思えない実にファンキーなベースを奏でてくれる。
 ルース・アンダーウッドのマリンバもサウンドの要になっており、全てのメンバーの演奏がガッチリと咬み合ってグルーブ感溢れる音楽を演っている。
 このアルバムでのザッパのギタートーンが筆者は好きで、舐め回すようなフレーズが本当にたまらない。8のソロなんてのはゾクゾクするくらい最高。言葉ではうまく表現できないほど素晴らしいのでとにかく買って聴いてみてください。
ところで早くこの時期のDVDを出してくれー!



こんな感じにおすすめのアルバムを紹介してみましたが、みなさん是非聴いてみてください!