2014-08-07

Frank Zappa - I'm the Slime(和訳)







Frank Zappa - I'm the Slime


I am gross and perverted
オレは下品かつ外道だ
I'm obsessed 'n deranged
取りつかれて狂ってるんだ
I have existed for years
何年にも渡って居座ってきたが
But very little had changed
ほとんど変わっちゃいねえ
I am the tool of the Government
オレは政府の手先で
And industry too
業界ともグルだ
For I am destined to rule and regulate you
それはオレがお前を牛耳り支配する運命にあるからだ

I may be vile and pernicious
オレは卑劣で有害なのかもしれない
But you can't look away
でもお前らは視線をそらすことが出来ない
I make you think I'm delicious
お前らに美味しいと思わせてやる
With the stuff that I say
オレの話術でな
I am the best you can get
オレはお前らが手に入れられる最高のシロモノだ
Have you guessed me yet?
オレが誰か分かったか?
I am the slime oozin' out from your TV set
テレビから流れ出るスライムだぜ

You will obey me while I lead you
お前らはオレの指示に従わなければならない
And eat the garbage that I feed you
そしてオレが与えるゴミを食べ続けるんだ
Until the day that we don't need you
我々がお前らを必要としなくなる日まで
Don't got for help...no one will heed you
助けを求めてもムダだ…誰もお前なんて気に留めない
Your mind is totally controlled
お前らの心は完全にコントロールされて
It has been stuffed into my mold
オレの型にはめられてしまっている
And you will do as you are told
言われた通りのことをしろ
Until the rights to you are sold
お前らの権利が売られるまでな

That's right, folks..
その通りだ、みなさん
Don't touch that dial
チャンネルはそのまま!

Well, I am the slime from your video
オレはテレビのスライム
Oozin' along on your livin'room floor
お宅のリビングの床に滴り落ちるぜ
I am the slime from your video
オレはテレビのスライム
Can't stop the slime, people, lookit me go
スライムは止められないぜ、みんなオレを見てくれ


左上からラルフ・ハンフリー(Dr)、トム・ファウラー(Bass)
イアン・アンダーウッド(Flut, Clarinet & Sax)、ジョージ・デューク(Key & Synth)
ジャン=リュック・ポンティ(Violin)、ブルース・ファウラー(Trombone)
FZ(Guitar & Vocals)、ルース・アンダーウッド(Marimba, Vibes & Percussion)
 『Over-nite Sensation』と言えばポップ路線に転じたことで商業的な成功を収めた、ザッパの音楽キャリアにおけるターニングポイントとなった作品ですが、今回はその中から"I'm The Slime"を取り上げてみました。本作の収録曲はすべて歌物で、マザーズ時代に比べるとはるかに分かりやすいコンパクトな作風となっていますが、上記のようなユニークな歌詞と猥雑でカッコいいギターソロが歌モノの楽曲にある種のザッパらしさを漂わせています。
以前のCDのミックスは低音がこもり気味で全体的にもっさりとした感がありましたが、2012年リマスター盤では音のヌケが良くなり大変聴きやすくなりました。既にアルバムを持っている方も持っていない方も2012年リマスター盤の購入をおすすめしますよ。

 記事の最初に貼った映像は76年にサタデー・ナイト・ライブに出演した際の演奏です。ザッパはSNLに76年12月、78年10月と2度出演しており、バンド演奏だけでなくいくつかのコントにも参加するなど、このコメディ番組に対する熱意はただならぬものだったようです。SNLは伝説のコメディ番組としてお馴染みですが、音楽的側面においても功績がある番組です。ゲストとしてミュージシャンが毎回の放送で招かれ、数曲演奏を披露しています。SNLはコメディ番組としての質の高さはもちろん、様々なミュージシャンにテレビで演奏する機会を与えていたという点においても歴史的価値がある番組だったのかなと思います。キャプテン・ビーフハートやサン・ラといったカルト的ミュージシャンが出演している回もあったりするので本当にビックリします。
 今回取り上げた映像の面白いところは、"I'm The Slime"というテレビ批判の歌をテレビで生演奏してしまうという点にあります。「テレビから流れ出る粘着物(=スライム)」という歌詞に沿った演出までやってしまうのですから、ミュージシャン側・テレビ側双方の本気っぷりが伺えます。また、アナウンサーのドン・パルドがナレーションを担当してますが、同年の12月末に行われたザッパのニューヨークコンサートにもゲスト参加しており、その模様は名ライブ盤"Zappa In NY"で聴くことが出来ます。この76年のSNL出演では他にもキャッチーで美しい名曲"Peaches En Regalia"や、SNLのレギュラーメンバーだったジョン・ベルーシが演奏するムチャクチャなサックスにバックバンドが合わせる"Purple Lagoon"の演奏もあったりして、大変興味深いです。特にこの時の"Peaches En Regalia"は私がザッパを聴くきっかけとなった映像であり、大変思い出深いです。



 78年の出演では"Dancin' Fool"、"The Meek Shall Inherit Nothing"というポップな歌物を演奏している一方で、インストの"St. Alphonso Pancake Breakfast"メドレーではバカテクメンバーが凄まじい演奏を披露しており、また、前回同様ジョン・ベルーシがサムライに扮してバンドを盛り上げます。特にくわえタバコでものすんごいドラムを叩くヴィニー・カリウタ、変態ベースを奏でるパトリック・オハーンのプレイは見ものです。しかしこのザッパがホストを務めた2回目のSNL出演は評判が悪いらしく、歴代最低のサタデーナイトライブのホスト10人」や「70年代SNLのひどいホスト5人」という英語記事に2回目の出演がランクインしていました。記事によると、ザッパが台詞をわざと棒読みしたり、コント中に「今カンペ読んでる」と言ってしまったりと終始白々しい態度を取ったのが良くなかったようです。また、「SNLを出禁になった9人」という記事の筆者はSNLのプロデューサー、ローン・マイケルズに対し「反体制のフリークキングとして悪名高かった頃のザッパを司会に据えるという選択が、どうしてあなたはうまく行くと思ったのだろうか?」と批判をしています
 そんなザッパバンドのSNLにおける素晴らしい演奏ですが、SNL関連の動画は権利関係が厳しいらしくYoutubeにはほとんどアップロードされていません。しかしながら、ニコ動では画質の良い演奏が多く上がってますので、是非とも「zappa snl」と検索して色々な動画を観てみてください。面白いですよ。

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